調査地の写真

これまで・現在において研究を行った調査地の写真と関連業績を紹介します。

2000年度から2003年度にかけて、野生ニホンザルの調査を行いました。互いに血縁関係の無いオトナオスたちが、どのように群れで仲良く暮らせるかを明らかにしようとしました。調査地は鹿児島県屋久島、青森県下北半島です。写真は下北半島で調査している様子(もちろんヤラセ。調査ではここまで接近しません)。研究成果は、Horiuchi (2005) Primates 46: 191-197、Horiuchi (2007) Anthropological Science 115: 63-65、Horiuchi (2008) Evolutionary Ecology 22: 243-252、等にまとめています。

2004年度から2008年度にかけて、農作地や人に危害を加えるニホンザルを山へ追い上げる、「サル追い上げボランティア」の研究を行いました。ボランティアとしてやってくる都会の若者と、被害農家などの地元住民がどのような関係を持つかを明らかにしようとしました。調査地は秋田県八峰町(白神山地の麓)です。写真はエアガンをもって、サルが農地に現れないか巡回している私です。私自身がボランティア隊員として参与観察をしたのでした。研究成果は、Horiuchi (2008)  International Journal of Japanese Sociology 17: 91-100、Horiuchi (2012) Advances in Sociology Research 12 (Eds.  Jared A. Jaworski), pp. 235-249、Horiuchi and Takasaki (2012) Population Ecology 54: 197-203、等にまとめています。

2009年度から2012年度にかけて、日本各地で継承されている民俗芸能である神楽の研究を行いました。人口が減り、後継者がいなくなる中で、どのように神楽は維持されているのか、とくに外部からやってくる観光客との関係に焦点をあわせて調査を行いました。調査地は宮崎県高千穂町および周辺の市町村です。写真は秋元地区でおこなわれた夜神楽のクライマックスであるウズメの舞です。研究成果は、堀内(2011) 理論と方法 26: 51-66、Horiuchi (2012) Sociology Mind 2: 306-312、Horiuchi and Morino (2015) International Journal of Social Science and Humanity 5: 58-62、等にまとめています。

2013年度から2015年度にかけて、日本各地で行われているアートプロジェクトの研究を行いました。人口が減って市街地で空家が増える中、空家の利活用を目的としたアートプロジェクトは芸術家と地元住民にどのような影響を及ぼすかを明らかにしようとしました。調査地は奈良県の数市町村です。写真は大和郡山市の空家(もとは美容院)をアート作品として展開した作品を撮っている私です(鏡に写っています)。研究成果は、Horiuchi (2015) Agent-Based Approaches in Economic and Social Complex Systems VIII (Eds. Yutaka Nakai, Yuhsuke Koyama, Takao Terano), pp. 27-37、Horiuchi (2017)  International Journal of Asia Pacific Studies 13、等にまとめています。

2014年度から2016年度にかけて、山形大学を中心に実施した地方創生事業を担当すると同時に、関連する研究もおこなってきました。人口減少が進む山形で、どのようにして外部から人・カネ・モノを招き入れるか、それらをきっかけにして地元の人や企業、そして学生が主体になって山形の生産性が高まり、生活環境が整備されるためにはどんな条件が必要か明らかにしようとしました。写真は2016年に飯豊町で実施された一般住民向けワークショップの様子です。研究成果は、Horiuchi and Takahashi (2016) Globalization: Economic, Political and Social Issues (Eds. Bernadette Gonzalez), pp. 149-159、Horiuchi (2017) Economics and Sociology 10: 251-265Horiuchi (2019)  理論と方法、等にまとめています。

以上の、白神山地・高千穂町・奈良町家・山形大学の研究成果(2004〜2016年度)の大半については、単著『観光による課題解決』にまとめて再掲載(和訳・修正済み)しました。

2017年度から、阪南大学で観光に関連した調査・研究をしています。産業空洞化が進み空家が増えてきた大阪市内では、好立地・低家賃に惹かれたアーティストたちが集まり、独特な芸術活動が展開しています。そのひとつ、大阪市此花区の梅香・四貫島エリアで調査を進めています。写真は、アーティストたちが集まり、様々なイベントが展開されるPORTです。Horiuchi (2022) International Journal of Asia Pacific Studies 18に掲載。

学生たちが、学外の地域・企業との産官学連携事業に携わり、大人達・子供達と関わることで、成長していくプロセスを研究の対象にしています。一種の参与観察、ないし社会実験です。写真は鳥取県若桜町での阪南大学生と小学生の交流の様子です。成果はHoriuchi (2020) Educational tourism in regional areas: Case studies in a Japanese University, Horiuchi (2022) Asian Research Journal of Arts and Social Scienceに掲載。

 

2020年度から、コロナのせいでおもうようにフィールドワークができない中で、Rin-bというアートプログラムを利用した教育を進めています。それを研究として発展させることが目標です。写真は学生たちが作ってくれた作品の例。成果は堀内(2021)阪南論集・人文・自然科学編に掲載。

以上の、山形大学、阪南大学、此花区、その他の研究成果(2017〜2023年度)の大半については、単著『モビリティ時代の暮らし』にまとめて再掲載(和訳・修正済み)しました。

Horiuchi (2020, 2022)が阪南大学の学生たちの地域連携に関する研究だったのに対し、他大学学生の域学連携の効果について調査を実施しました。写真は奈良県下北山村にあるコワーキングスペースで、ここで慶応大学の学生たちがかかわっていました。

ライフスタイル移住の研究調査を実施しています。移住者たちが、地域コミュニティにどんな影響を及ぼすか、地域のイメージがどのように刷新されるかを明らかにしようとしています。写真は鎌倉市で開催されたフリーマーケットの様子です。

ポストコロナにおいてアートがどのような意義をもつのか研究調査をしています。すでにHoriuchi (2017)では奈良、Horiuchi (2022)では大阪市此花区の調査をしておりますが、その後のアートないしアーティスト、そしてアートの街の可能性を明らかにしようとしています。写真は此花区で開催された紙芝居大会の様子です。